諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

遊びの称号ランクに関する失敗例

 昨日のボードゲーム日記に関連した昔の話。
 小学校の時も当然いろんな遊びが流行った。雨の日はインドアな遊びが多め。さすがにトレーディングカードゲームは禁止だったものの、トランプやUNO、将棋なんてのも一時期。定規はじきとか鉛筆サイコロとか、牛乳瓶のふたを重ねて転がしたりと身近なものを使ったのも多数あった。飽きが早いお年頃。通り過ぎて行ったゲームの数は数えきれない。
 その中で手だけを使う遊びもいくつかあった。
 えっと、ほら、あの親指出して、全体の数当てたら勝ちという、あれ。
 ちゃんとwikipediaがあったので貼っておく。私の地域では「いっせーのーせ」。
手を用いた遊び - 数字を指定する遊び - Wikipedia
 単純なゲームルール自体はもともとあった。
 ある時、一時期これに階級制を付けるのが流行った。
 ランクはアルファベット順。皆最初はLランクからスタートし、このゲームで勝ったら一ランク上がり、負けたら一ランク下がる。そんな感じで強さを競った。たいてい一対一。それ以外だとランクの変動がつけにくいのだ。
 数日のうちにその遊びはクラス内で白熱しだし、男子女子問わずランク持ちが増えた。規定もどんどん変わった。Aランクの上まで行くと、S(Specialの方)ランクやSSランクまで増やして対応するとか、不正したらZランクまで下がるとか。今考えるとアルファベットSランクとSpecialランクはどうやって区別していたのだろう。確かSpecialまで行くとランクが下がりにくくなる設定もあった。
 ただ、長くは持たなかった。
 問題としては、ランクに差がある人との対戦に関して。上ランクの人はあまり戦うメリットはない上に、ランク差があると「下ランクの人が買ったら上ランクの人の称号をもらえる」なんて特別ルールができ、新しく遊びに入った人がいつの間にかS、なんてことになった。ちなみに私もそれ。
 上ランクの人はこのルールのせいであまり戦わなくなり、新規の人も申し訳なくなって嫌になった。勝敗によるランク上下もどんどん特別ルールができたせいで訳が分からなくなり、いつの間にかその遊びは廃れていった。

 今やったら、当然ながらルール設定はしっかりするんだと思う。この事例だと、「勝ったら一ランク上がり、負けたら一ランク下がる」を守っているだけでもっとこの遊びは持ったのではないだろうか。
 そういう遊びが好きだとルール設定も好きで、どんどん設定したがるようになる。それが性、とまで言ってしまうと違うけれど、ローカルゲームである以上ルールはどんどん変化する。ああいった急速な構築と崩壊はあまりにドラマティックで、記憶に残っていた。
 結局名前のつかなかったあのゲームを思い出し、あの頃を何人が覚えているのか想像にふける。