諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

リズムゲームが苦手だった

 音ゲー全然できなかったけれど気になったProjectDIVAに触れてみたらエンジョイできるようになったよという話。ありていに言えばProjectDIVA勧めエントリである。
 ……ところで私は最近こうやってエントリ序盤にアブストラクトを置いておくのを意識しているわけだけれど、梗概書く練習以外にはならないんじゃないだろうか。いいか。いいのか。


 初めてリズムゲーに触れたのはいつのことだっただろう。ほとんどハード持っていなかったし、覚えていない。ゲーセンでやることも特になかった。もともと敬遠気味。音楽への興味もそれほど高くなかったというのもあるかもしれない。そうなると初めては高校の時の某ステマニとかになるのだろうか。部活のPCに入っていて先輩がよくやっていた。ためしに触れてみたもののさっぱり。焦りばかりが先行し、楽しみ方もよく分からなかった。
 某太鼓のゲームもできなかった。もともと和太鼓ができないからこんなに下手なのだ! 小学校の頃の鼓笛隊もシンパルだった私はしようがないのだ! って思うくらいに。いや合唱コンクール指揮もやったけれど、まあ別だろう。あの太鼓ゲームもハードソフト揃えたらまた変わっていたのだろうと、今は思う。


 どこか自分の中で、苦手意識を克服したいと思うときがあった。ゲームであって義務ではないのだから克服も何もないとは思うものの、あれできたら楽しいだろうな、という考えは少しばかりあったのだろう。


 で、ProjectDIVAだ。

初音ミク -Project DIVA-』(はつねミク プロジェクト ディーヴァ)は、セガより発売された音楽ゲーム音声合成ソフト「初音ミク」に設定されているバーチャルアイドルのキャラクターを起用したキャラクターゲームである。2009年7月2日[1]にプレイステーション・ポータブル専用ソフトとして発売された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E3%83%9F%E3%82%AF_-Project_DIVA-

 軌跡シリーズがPSPに移行したのに伴ってハードを買い、それこそ「零の軌跡」と「イースVS空の軌跡 オルタナティブサーガ」くらいしか入れるソフトがなかった頃の話。いや今でもソフトそんなにないけれど。お金なくて。
 PSStoreで体験版を開拓してみようとダウンロードしたのが「DIVA2nd体験版」だった。四曲。モジュールいくつか。当時はなんだかんだどの曲も知らなかったはず。
 さくさくできて、はまった。
 体験版だとEASY(○ボタン一個)とNORMAL(○×二個)くらいなので簡単にできるかと思いきや、そうでもない。むきになりつつ楽しめる音ゲー体験は初めてだった。
 まず、ガイドがしっかりしている、というのが大きい。ノーツの重なり・長針・ノーツ配置の幅という三つのガイドによってかなり押しやすくなっている。これで慣れると他ゲームでもノーツ配置幅で大体のタイミングがはかれるようになるだろう。画面の色んな所から飛んでくるものの、ある程度長い間画面にいてくれるので、そういった意味でもタイミングははかりやすい。
 あとはPV。選んだモジュール(衣装セット)でキャラクタが踊り歌詞もでる、となると、PV見ているだけで楽しい。「集中すれば見えなくなる」どころの話ではない。「PV見とれてミス誘発」まである。恐ろしい子! モジュールに関しては体験版でいくつか着せられるはずなので気になる方は試してみるといいかもしれない。当時の私はへーこんなことができるのかと驚いていた。

 例えば曲に馴染みがない人でも、プレイして曲と歌詞を知り、この曲良いなというようになる仕組みが素晴らしいと思った。事実私はそうやって聴く機会が増えた。
 私なんかは当初、曲が特殊なものしかないのではないか、なんて予想を持っていた節があって、むしろプレイするうちにジャンルの多彩さに驚かされた。もう今では各ジャンルすごい曲数あるわけだし。DIVA1stとかだと「Ievan Polkka」「荒野と森と魔法の歌」「ミラクルペイント」あたりは驚いた記憶。いや、本当に聴いたことがなかったのだ。
 偏見だったと言えば間違いなくその通りなのだが、むしろきっかけがなかったことがあまりに大きい。知らないのだ。そういった広がりがあることを。DIVAはそのあたり、「ゲームから曲へ入る」触媒としてよく作用しているように思う。

 上手になったか、と言うと、微妙だ。パーフェクト埋めは全然やっていないし、まだクリアできていない曲はいくつもある。2ndだと「ぽっぴっぽー」EXと「サイハテ」EXがすぐ落ちる。1stの消失と2ndの激唱は除外。あれはもう「技術的に無理」じゃなくて「物理的に無理」って感じがする。前者だと、練習するうちに少しは出来るようになったということを実感できるが、後者、すなわちその二曲は「私の指がそれを押せるようにできていない」感じがする。まあ、それは置いておいて。

 arcade版(ゲーセン)もちょこちょこ。モデリングも違うし、HOLDや同時押しなどシステム差異もあって楽しめる。ただ最近筐体少なくなったなあ。ゲーセン通信系は大変そうだ。
 DIVAf(Vita)も欲しいのだけれど、ハード購入予定はなかなか立たない。逆に言うと、ハードを持っていない人はこういった「入り方」はできないわけで、また障壁だな、とは思う。アカウント問題と近い。


 自発的、というのは大きかったな、と。
 それこそ、経験者が急に背中について席に座らされおどおどプレイし、下手さに苦笑される、なんて流れだと、まずやらなくなる。経験談。
 だからまあ、勧めるのって難しい。特に最初から「テクニック重要」なのが出がちこのジャンルはその要素をもろに受けている。他ゲーだとストーリーとかキャラクタとか見てそこから入ればいいよー、なんて話もできるけれど。
 DIVAのPVの良さもそこにある。やってるのみてると楽しい。

 あとはまあ、ガチ勢か。当然ながらガチ勢になる義務というのはゲームにおいてない。ただ未経験者が入る上でそういった姿はやる気にも障壁にもなりうる。エンジョイ勢という言葉は――蔑称として使われない限り――ハードル下げにも十分貢献しているんじゃないだろうか。
 そのあたりもそのうち他ジャンルと絡めて考えてみたいところ。


 今ではちょこちょこREFLEC BEATとかも触るようにはなってきた。
 別の音ゲーもやってみたいかな、なんて思うようになった今、やっと「苦手」って言葉はほんの少し消えたかな、なんて思う。楽しめてそれが消えていくんだから、悪くない。