諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

粉瘤に苦しめられた話

 タイトル通り。
 粉瘤で数週間苦しめられた。
 みなさん、粉瘤でないかと思ったら、はやく病院に行こう。

 説明しよう、粉瘤とは! 本来普通に排出される老廃物が皮膚の下の袋に溜まるようになり炎症を起こす症状である! すごい適当に書いた!

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 患部は右肩の後ろ。
 数センチのしこりのようなふくらみ。
 スタートはちょっとした痛みだった。寝るとたまに痛くなるくらい。
 ただ、腕を伸ばすと痛むようになり、一週間すると常に痛むようになった。
 熱を持つようになる。
 傷はなし。しかし赤くなり始める。痛い。凄く邪魔。

  • 病院一日前

 可能による痛みが引かず、病院へ行くことを決意。
 皮膚科は土曜日の午前くらいしか開いていない。
 日曜はもう痛みがピーク。眠りが浅くなり始める。
 熱も持ち始めたので冷やしてみたが、効果なし。
 仕方ないので月曜の夜開いている所に行こうと考える。関係ないけれど皮膚科って時々美容向けのちょっと怪しげなところも引っかかりやすいので注意。保険効かないとかね。

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  • 病院一日目

 病院へ。
「どうしました?」
「肩の後ろに出来物ができまして」
「見せて。あー……」察された。「そこにうつ伏せで寝ころんで」
 寝ていると、年配のお医者さんと年配の看護婦さんの声が聞こえる。
「まだ固い」「でも膿溜まってる」「きろっか」「切るの?」「切った方が治りはやいし」「切るのか」「いや先生が決めてください」「切る。準備して」
 頭上でかわされる妙な会話。え。こわくない?
 そしてこちらへきて提案。
「切ろうか。切った方がいいでしょ」
「はあ……」
「麻酔だけ少し痛いから」
「はあ……」

 うつぶせになって即麻酔開始。注射のような痛み。さすがというべきか、それ以降大きな痛みは感じず。
 おそらく切開。
「膿たくさん出てきた」「これ引っかかってる」「あーまだ出るね」「ここ引っ張って」
 会話が全体的に怖い。そして引っ張られると普通に痛い。
 しばらく作業されているものの、背中なのでわからない。ネットで調べたところでは、切って膿を出して、袋を出して、縫合するはずだけれど。
 10分くらいか。ようやく終わり。
 ジンジンする痛み。
「明日も必ず病院来てね。ガーゼは剥がさず。もしはがれたら、この薬とガーゼ使って貼りなおしてね」
「……はい……」

 帰宅中、すぐに麻酔が切れる。
 激痛! ちょっと! 揺れるだけでも痛い!
 帰り道がもうつらい。電車使ってよかった。ずっとしかめっ面をしながら歩いていた。
 これ、今日寝れるのか?

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  • 病院二日目

 寝れない。ずっと横を向いているが、それでも時折痛む。
 明け方、鎮痛剤が切れる。
 眠れない。肩の後ろというのがまた。少し腕の位置が悪いだけでザキっとする。

 出先ではそれほど激しい行動はとっていないものの、ふと腕を伸ばしたりあげたりで痛んで、いらいら。酷い顔をしていた。

 夜、言われた通り、夜病院へ。
 ガーゼ剥がして、膿を絞って、薬塗りなおして終わり。
 しかし、膿絞りは物凄く痛い! 切り傷から血を絞り出されているよう。半泣き。
 正直軽めの刑罰くらいは痛いと思った。
 「シャワー解禁」と言われたが、無理無理。どれだけ鈍いんだ。鎮痛剤飲んで病院行ってこれなのに。
 3分で治療は終わったが、とんでもなくつらい。

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  • 病院三日目

 ガーゼ張替えも開始。ガーゼを剥がすと、膿がたくさんついている。
 姿見で傷を見てみた。二センチほどの切開跡がぱっくり。肩のところなので詳しく見れないのがつらいところ。化膿したかさぶたのような部分が残っている。
 一つ思ったのは、縫合してないんだ? というところ。化膿を除いてからなのかもしれない。抗生物質あるし。

 夕方、ぴりぴりした痛みがようやく引いてきた。
 夜、病院三回目。同様にガーゼ張替え。
「もう痛くないでしょ?」という医者の声に対し、反射的に「はい」と答えてしまう。後悔。これはよくない。案の定、膿絞りでまた痛みが。
 やせ我慢したわけではないが、なるべく柔らかく言おうとしてしまう癖が私にはある。せっかくだから「激痛です」くらいは言えばよかった。粉瘤のせいで日々の眠りも浅いし。

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  • 五日目

 ガーゼ張替えも慣れたが、化膿は減らない。長いものだ。
 腫れも引いておらず、いつになったら治るのか怪しい。
 病院診察も一分ほど。これのために電車というのもつらいところだが、この間みたいに痛くなったら大変だ。帰るのも一苦労になる。
「休み明けに来てください」そういえば大型連休を挟む。「ガーゼはなるべく貼っておくように。かさぶたになれば別にいいですが。あとこすらないよう」
 そんな感じで、連休に入った。痛み止めはなくなり、抗生物質だけ。

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  • 十五日目。

 連休を挟み、病院が混みすぎて入るのをやめたのを含め、二週間ほど経った。
 痛みはほとんど感じないくらい。ぱっくり開いた傷痕にかさぶた。腫れは引いてきた。
 病院へ行く。
 いつも通り見せると……。
「あー、これ完治だね!」「あ、そうね!」
 医者と看護師の声。
 あっけないけれど……縫合は……?
 どうやらこれで本当に治療が終わりらしい。傷痕はこのままだろうか。それともこの内部で縫合されているのだろうか。

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 結局、今も少しかさぶたが残った状態。
 傷は小さくなってきた気がする。浅いのか、皮膚の下で縫ってあるのか。

 治療費は合計6kほど。
 結果、粉瘤に対して学んだこと。
「病院に行くこと」「(大き目)病院をきちんと選ぶこと」「放っておいたときの痛みをそれなりに覚悟すること」
 これくらいだろうか。
 ところで、かなり昔だけれど、臀部から足の付け根のあたりにしこりがあった。あれはもしかして粉瘤では……?
 何も考えたくない。
 とりあえず目をつむり、肩の痛みがなくなったことにだけ喜びを感じることにする。