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ボードゲーム日記11[GRUND] - 儲けの誘惑

 ボードゲーム日記。今回はGRUND(裏切りの理由)。
 やはり読みあいゲームが好きらしい。そうなると信じるか裏切るかというのは魅力的なコンセプトにみえる。

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 GRUND(裏切りの理由)。2-5人。
 マフィアのボスと他メンバーによる、信頼と裏切りのゲーム。
 http://aoimachi.sblo.jp/category/3750487-1.html

 カードは人数x6枚を使用。例えば五人なら[白1:信頼]x15、[黒1]x5、[黒2]x5、[黒3]x5。
 ラウンドごとに誰か1人が回り番でボス(親)を担当。他メンバー(子)全員に7枚ずつ配る。余ったカードは使わない。子は7枚を見て、5枚残して2枚は表にして捨てる。5枚の手札を白多数(3枚以上)にすれば「仲間」、黒多数にすると「裏切り」を示す。親は好きなメンバーを指定して仲間か裏切りか宣告する。メンバーは手札をオープンして、見破れたか見破れなかったかにより得点処理を行う。公開されたカードを手掛かりにしつつ別のメンバーに宣告していく。終わったら親を代わる。
 得点について。メンバーが仲間を選びボスが信じたら「両方が」白手札に書いてある合計ポイントを獲得、信じれなかったら「メンバーのみ」獲得。メンバーが裏切り、見破ったら「ボスが」黒手札に書いてある合計ポイントを獲得、見破れなかったら「メンバーのみ」獲得。
 親を全員一回担当したら終了。得点の多い人が勝ち。

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 得点記録は今回チップを使用。獲得したら中央のポットからとることにする。5人だと一人あたり20-30点くらいになるかな。
 初回4人・5人プレイ。

 メンバーそれぞれにカードを配る。メンバーは手札を見て2枚捨てる。親は捨て札を見て、当てられそうなメンバーを指して「仲間」か「裏切り」か言う。外したらボスは得点できないので慎重に。メンバーのカード5枚は公開されるから、そこから消去法で残りのメンバーを当てていく。
 例えばAさんがボス。メンバーBさんが[白][黒3]捨て、メンバーCさんが[白][白]捨て。こんな場合だったらAは「まず分かりやすいCさんから当てよう。『裏切り!』」と、こんな感じ。

 第一印象としてはやはりジレンマが肝。
 仲間か裏切りかによって得点を得る人が異なる。ボスが外せばメンバーが獲得というのはどちらの役目でも変わらないが、裏切れば「自分(メンバー)だけが得点もらえる」し、裏切った方が「得られる得点は多め」。このポイントを把握すると、ゲーム性が分かってくる。

 例えばメンバー役の時、配られた7枚が[白1][白1][白1][黒1][黒2][黒2][黒3]であったとしよう。
 ここから2枚捨てる。
 (1)一番得点を高くすると8点。しかしそれには[白]2枚を捨てる必要がある。ボス役からすれば、信頼の証を2枚も捨てたメンバーを信じるのはなかなか難しい。
 (2)仲間になるには[黒]2枚を捨てる。そうすれば信じてもらう確率は非常に高く、少なくとも自分は必ず得点できるが、得点は3点しかもらえない。このジレンマがまずある。
 (3)次の考えとして、ボス役を惑わす捨て方が考えられる。[白][黒]捨てだ。
 ただこれは、実際やってみると「メンバーである自分の立場をあいまいにする」だけで、指摘されるリスクはあまり変わらないのである。[白1][黒1]捨ては、親にとって微妙な情報であり、「それならば他メンバーを指摘して手札を見て、そこから推理する」方向に行きやすい。こうなるとメンバー側としては怪しくなってくる。せっかくなので儲けの可能性は高くいきたい。
 (4)[白1][黒3]なんかも面白いが、それでもボスが「もしかしてこいつは黒3捨てで裏切りでないという引っかけをしているのかもしれない」とばれてしまいうる。

 なかなか難しい。まるで麻雀の捨て牌の如し。
 王牌のように使わない不確定カードもある。人数によってこの枚数が変わるのも面白い。カードが偏ると最後の一人のカードをぎりぎりまで絞れるようになるのである。

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 ゲームが進行していくと、「印象付け」も始まる。
 この人は裏切りがちだ! この人はなんだかんだ儲からないと思ったら安定を取りに行く。そんな感じ。

 主な読みあいは上記の通りだけれど、ゲームが進むとまた違った情報が入る。それは現在のポイント。
 今回はチップを用いて共通情報として現在のポイントを示した。
 ボス役が一周したら終わりなので、どうやってトップを取るかが常に視野へ入る。
 そうなると裏切りの要素は大きくなる。ボスに点を取らせず自分だけが高得点を得られればトップへの道は開ける。ここで途端に[黒]のカードが輝いて見えるわけだ。裏切りの理由が飛び込んでくる。
 しかし配られる手札によってはそれも上手くいかない。それならば安定の白で3-5点を取っておくか、という気にもなる。

 このゲームで得点を得るにはボスが重要。例えば5人戦なら「メンバーとして稼ぐ」が4ラウンド1回ずつ、「ボスとして他の手札を見破る」が1ラウンドに4回。
 ボス役の推理がメイン要素なので、ボスは推理を思う存分開陳できる。このムーブは犯人フェイズと探偵フェイズのようで面白い。

 ボス役での全員見破り成功は、実はそれほど難しくない印象がある。
 一番最初が最も難しいが、最初に指摘した手札が偏っていれば、そこから確率的に予測はできる。そこから写すように相手の思考を読めれば連鎖して得点を稼げる。
 最後のメンバーを指摘するタイミングでは、未公開カードが、その手札5枚と未使用カード数枚しかないわけで、そこに[白]か[黒]が2枚以下しかなければ、メンバーの取れうる立場は一つしかない。
 指摘順を正しくできれば、こういった「詰ませる」こともできる。
 しかもその場合、最後のメンバーの手札はほとんど白か黒で統一されているだろうからその強欲ぶりが明らかになって笑いが起きる。

 メンバー側としては、手札は偏ってもらった方がいい。得点チャンスが広がる。
 [白1][黒1][黒1][黒2][黒3][黒3][黒3]なんて手札があった。[黒3]2枚捨て。親からしたら、万が一と思いつつも、「仲間」と指定したくなる。

 ゲーム中の状況。私がラス親で、得点は当然一番低い状態。
「さあ私がリーダーだから、みんな分かっているよね?」
(全メンバーが思い思いに白カード(仲間)を捨てだす)
「分かってるな……ひどい」
 そしてここからの全員当て逆転勝利はカタルシスがあった。

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 カードを用いたブラフゲームの傑作「髑髏と薔薇」のように、2種類のカードを用い伏せたカードを見破る、という点では似たジャンルといえる。
   関連 - ボードゲーム日記6[髑髏と薔薇] http://d.hatena.ne.jp/hidoread/20130605/1370416061
 GRUNDの点数を公開制にすると、また近くなる。髑髏と薔薇の2勝ルールのように、どう先行している人に追いつくかという考えが生まれる。
 主な違いとして、髑髏と薔薇は「全員共通の手札で偶然の要素がないが、伏せカードを複数人の分読む必要がある」のに対し、本作は「手札はランダム性がある代わり、伏せカードは一人ずつ読んでいけばよく、その情報も使える」といえるだろう。これによりゲーム性は大きく変わる。
 髑髏と薔薇と同じくらい、GRUNDはテーマとのマッチングもすごい。メンバーが信用できるかボスは判断する。それだけでゲームの説明が半分終わったようなものである。

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 一応のチェック内容。
・インスト時、「ボス以外にカードを配る」というシステムは、他のゲームにあまりないのでしっかりしておくとよい。
・同様に、カード構成に関しては何度でも補足しておくといいだろう。推理の材料になるからである。分かりやすい表でも今度作っておきたい。
・完全ランダム対策のルール策定はさすがにやっておいた方がいいかも……。一人だけ一回みられた。まあ確率で絞れるしそれくらいならよかったけれど。例えばメンバー全員が手札をみないで2枚捨てたら、ボス役はどうしようもなくなる。Eカードよろしく「必ずメンバーは手札を一度はみる」というくらいの設定はしておくとよさそう。読みあいが非常に楽しいというところは強調しておきたい。同様に、ランダム要素である毎度使わないカードも在り処を分かりやすくするため中央に伏せ置いておくとよいかも。
その点、髑髏と薔薇はよくできているのだ。あのゲームは、見ないでカードを伏せてもそのプレイヤーの勝てる可能性は全くない。
・今回、自分たちは得点を公開制にしたおかげで新たな読みあいが生まれたけれど、得点非公開制も一度はやってみたい。パーティーゲーム寄りの面子だったらそちらでもいいだろう。
・得点を公開制にすると、得点に差がつきすぎて勝ちの目が途中で消える例もまあある。ただそれはよほどカードが偏ったゲームにしか起こらない。それくらいバランスは考えられている。実戦例5人戦でも全員25点近くであった。

GRUND(裏切りの理由)
B00LTFQK72