諦め続ける薬

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ボードゲーム日記8[メイガスホールデム] - 簡便さの利点

 ボードゲーム日記。
 今回からあと撮り写真入れてみた。前のエントリにもそのうち入れる予定。

 この間の東京旅行での一つの楽しみが、ボードゲームマーケット2013秋。
 文フリブースを抜け出し、モノレールとりんかい線経由で。時間の都合上、あまり多くはまわれなかった。お目当てのものが売り切れだったり。それでも、会場の熱気や試遊台の盛り上がりを見るととてもテンションが上がった。

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 メイガスホールデム。8人まで。
 魔術師たちのポーカー。
 カード18枚。ディーラーカード1枚。あとはそれぞれのプレイヤーにベットカード。チップ1人10枚。
 基本的にはテキサスホールデム式の進行。ディーラーを決め、二人がブラインドベット(回り番の強制ベット)し、各人2枚ずつカードが配られる(=ホールカード)。第一ベッティングラウンドが終わると山から一枚の札がめくられる(=コミュニティカード)。第二ベッティングラウンドのあとに2枚目のコミュニティカードがめくられ、第三ベッティングラウンドが終わるとショーダウン。
 ポーカーでいう役の代わりに、兵力の合計値を競う。ホールカードとコミュニティカードを組み合わせ、最も強い兵力を宣言していく。
 カードは[ユニット][ユニット - 魔術師][呪文]という3カテゴリ6枚ずつ。ユニットには各種効果のあるものもある。呪文に関しては「呪文を唱えられる」効果があって初めて兵力および効果が発揮される。
 ベット方法も同じようにコール(チェック)/レイズ/フォールド。リミットあり。マックあり。
 だれかが0になったらセッション終了、チップを得点として記録し、3セッションの合計を競う。最終セッションは倍率x2。



 システムの全てから漂う、コンパクトさを念頭に置いた仕組み。カード18枚、ベットラウンド3回、チップ10枚、ベットリミット3枚、3セッション制。
 これらの効果により、テキサスホールデム未プレイ者でも入りやすいし、より逼迫したゲームが楽しめる。説明書に書いてあるように、慣れてきたらテキサスホールデムルールやパイナップル、トーナメント制にも切り替えることができる。
 そしてそのコンパクトさを維持しつつの2-8人プレイ可能な設定。


 コンポーネントの妙としては、やはりそれぞれに配られるベットカードと、ディーラーボタン(the buck)用のディーラーカードだろう。ベットカードはポット・ベット・スタックの位置だけでなく、foldやall inという状態表示、そして席決めにも使用できる。ディーラーカードには簡潔な進行の流れが書いてあり参照できるようになっている。これらのおかげでテキサスホールデム未プレイ者でもすぐに入り込めるだろう。
 カード中央の丸の部分がポーカーチップにも対応しているというらしいのも驚き。
 たとえばククのようなゲームでも、進行参照カードがあると段違いだなと思った次第。クク21版で状態表示カードがついたらしいというのもその辺があるのだと思う。
 まあポーカーにおいては、自分で持つカードによりfold自体は分かりやすいが、コールレイズ関連(ストリングベット等)は未だに問題となることがあるし、状態表示はあるだけよい。
 説明書の丁寧さとともに、そのあたりがとてもよかった。

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 今回はプレイヤーの人数と都合により4人2セット制とした。大人数正式ルールはそのうち。

 プレイ感。
 まずカードが二枚配られる。
 押し引きについて考える。どの手札なら押し、どう降りるか。
 単純に、強い二枚の組み合わせというのがある。[魔術師]と[呪文]。またはユニット特殊効果である[ゴブリンキング][ゴブリン]や[ナイト][ナイト]。
 もしくはカード自身の強さ。[ドラゴン][リッチ]等。ここに呪文系カードも入れたいが、事故の可能性は十分ある。
 テキサスホールデムだと、弱い手であればさくさく降りるのが常套だ。ブラインドでもなく遅くもない場所では攻めにくい。
 その辺を意識して私はプレイに臨んでみた。

 なんとなく3枚合計の平均点は10くらいであろうとあたりをつけてみる。
 最初の勝負手は[ソーサレス][殺戮の雲]。これだけで9。押して、チップ3枚にレイズしてみる。
 一人くらいは降りてくれたが、なかなか乗られてしまう。
 フロップ(こう呼んでいいのかわからない)は[火球]。誰かにパイロを持たれているとつらい。うーん。チェック。
 リバーは[パイロ]。なんと。これで皆9点以上は確定。
 こうなると私の押すかどうかは迷いどころ。私の役は[ソーサレス][殺戮の雲][パイロ]で10。
 他の人はだいたい[火球][パイロ]ともう一枚だろう。誰かのホールカードの一枚がユニットだと2-4なので合計で11-13。負けてしまう。メイガスも持たれていると負ける。リッチだとどうなるのか分からない。魔力の嵐もこわい。
 半分事故った感じはある。コール2枚でまわってきたのでオリ。
 ディーラーの人の手札が表になる。[ナイト][魔力の嵐]で12。降りてよかったが、チップの失いは大きい。

 ところどころで悩む声が聞こえる。この考える時間が肝。
 ホールカードにナイトがあると、もう一枚のナイトの在り処が気になってしょうがない。
 [魔力の嵐]があると魔術師の価値が跳ね上がる。この辺のカードネーミングがうまい。

 序盤チップを失ったのが大きかった。押したいところで押せない。10枚の大切さを今更ながらに思い知る。
 ホールカードが[巨大化][魔力の嵐]で突っ込んでみたが、コミュニティに魔術師が出ずお通夜。

 結果、うまく競ったところを持って行った人が圧勝。ポーカーかつ総取りだけあって突っ走ると強い。

 2セット目。
 逆に、降りるべき状況を考えてみる。
 2枚のホールカードが弱い時とはどういうことか。低いユニットと呪文。魔術師ばかりで呪文が来ない。いくつか考えられるものの、よほどでなければ5点以下にならない。
 [ナイト][魔力の嵐]なんかだと、高得点になりそうなものがあまりなさそうなのですぐ降りることができる。
 あとはコミュニティが不穏な場合。特にこれは呪文系があげられる。あとはゴブリンキングも。自分のホールカードが大したことない場合、無理に押す必要はないだろう。
 定期的に回ってくるブラインドも、このチップ設定では決して小さくない。ただこのゲームは押すこと自体が悪いわけではない。テキサスホールデムだともうBBでは押さなければという感じになる。
 問題は二人以上にいい手が入り、コールが跳ね上がる場合。一瞬でほとんどゲームが終わりかねないし、稼げるのは基本ひとり。

 ブラフをかけてみたが、少人数戦ではどうしてもついてこられてしまう。ただでさえ二人はプリフロップで一枚ずつ賭けているわけで。
 手札の[リッチ]に期待して押してみた時がピークか。[メイガス][魔力の嵐]で15。あそこでもっと取りたかった……!

 2セット合計だと堅実さが重要になるらしい。面白かった。


 ポーカー的状況。
 ドミネートされた状態が一回あった。
 二人のホールカードを比較した際、一枚が同じ札でもう一枚に差があり、下位の人の勝率がかなり低くなる状況。直接対決、というわけではなかったけれど。
 Aさんが[1パイロ][巨大化]で、Bさんが[3メイガス][巨大化]。
 こうなるとAさんはつらい。
 コミュニティカードになにが来てもAさんはほとんど勝ちにならない。
 上記の対決において、コミュニティに[火球]が来た時がポイントか。[パイロ][火球]の9と[メイガス][巨大化]の9で、もう一枚のコミュニティが[ドラゴン]以外だと同点になり、タイブレイクルール(=ハイカード比較)により勝ちになる。火球が5なのは大きい。ただコミュニティのもう一枚が[4ドラゴン]だと、巨大化能力により13と15でAさんが負ける。
 あとはコミュニティが[リッチ][殺戮の雲]で引き分けかな。他にもありそう。

 あとから考えてみると、こんな面白そうなヘッズアップはいくつかある。
 [ソーサレス][巨大化]vs.[メイガス][巨大化]では、前者がまずどうしようもない。
 [リッチ][巨大化]vs.[メイガス][巨大化]だと、コミュニティに呪文がめくられると前者がほぼ逆転勝ち。
 [パイロ][火球]vs.[メイガス][火球]だと、逆ドミネーションみたいになる。特殊効果の妙。ストレートにポケットが負ける感じか。

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 さて、プレイ前、ちょっと不安だったのが、「手の強さ度合いをプレイヤー全員が理解してゲームに臨めるか」であった。だいたいどれくらいの得点範囲なのかについてプレイヤーが知っていないと、こういった押し引きのゲームでは悪いことになる。3枚合計兵力11で勝てると思ったらもっと上がいた、というような感じ。
 前に身内でポーカーをやろうとした際も、役をよく知らない人がいたというようなことがあった。そこを共有しない限り混乱が起きる。
 これはインスト中でちょっとだけ説明することにした。これくらいなら戦略説明にはならないだろう。
 最大は[リッチ]-[巨大化]-[巨大化]の18。その次が[ゴブリンキング]-[ゴブリン]-[ゴブリン]の17。逆に[呪文]-[呪文]-[呪文]などだと0になる。たぶん。


 このちょっとした不安要素は、ポーカー用語でいうところの「アウツ」も関係する。どのカードがめくられれば、逆転の手になるか。
 ただ、このゲームの良くできているところとしては、アウツを自分で見出しやすいということだ。カードは全12種であり、しかも「呪文は魔術師がいて初めて強さと効果を発揮する」という点から、「何が来れば勝てるか」を見出しやすい。コンパクトさが効いている。
 逆転要素となるカードがめくられる確率(=「オッズ」)も、説明書のカードリストを置いておくだけでよい。プレイヤーの判断が試される。


 例えば、コミュニティカードが[魔術師][魔術師]だったら、手に呪文系カードを持っている人は強い。手に魔術師系カードを持っていれば、コミュニティカードの内容によって押し引きを決められるだろう。そんな、ある種「当たり前の」行動であっても、上のような手の強さ度合いの説明のあるなしで変わるのではないかと思った。無理に押し付けない範囲で。
 押しつけが過ぎると、ゲームというものの良さである「戦略・楽しみ方の見出しやすさ」を損ねてしまいかねない。インストってむつかしい。


 なぜこういう手の強さ度合いについて説明をする必要を感じたかというと、伝わる伝わらないというのは結構大きいと思ったからだ。すなわちこれはゲームの話ではなく私自身の説明方法の話である。あとでエントリ書こうかな。
 実家の家族とドメモをプレイした時、口頭説明だけだったので、プレイ途中で初めて母が「で、この数字って全部同じ枚数あるの?」と聞いてきてずっこけたりした。あと同輩たちとのニムトをやって、カードを全部見せながら説明しても、プレイ中に「同じ数字が出たらどうするんですか」という質問が飛んできた。ジャングルスピードでも、同色同形のカードはないという説明は(説明書になくても)した方がよかったと後で気づいた。
 見せる、という行動は覚えるのにすごく大事。そんなことを思ったのだ。
 そういうわけで、本ゲームのような場合、18枚カードというのが、きっちり一枚一枚説明できるし任意の組み合わせでの点数計算も例示できるというのがとてもいいと感じた。説明書の例示も素晴らしい。
 ラブレターやククのインスト中も同様な各カードの丁寧な説明が重要だと思ったっけ。
 そんなわけで、手の強さ度合いについてはあえて説明することにした。まあこれはプレイする人々のの性質にもよるだろう。

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 説明書ではアレンジルールにも触れられている。
 パイナップルルールは確かテキサスホールデム由来だったろうと思う。ホールカードを3枚にして1枚表で捨てる。
 このゲームで見える情報が増えるというのは非常に大きいだろう。5人パイナップルだと、ホールカード2x5枚、捨てられたカード5枚、コミュニティーカード2枚、山札1枚。情報は全員に見えるカードが7枚と自分の手札2枚である。
 やってみたいねー。情報量が多いと熱い。昔やった、捨てカードオープンのインディアンポーカーは熱かった。あんな感じになるだろうか。

 トーナメントルールも是非そのうち。
 ただ、チップ設定が非常に迷う。昔やったインディアンポーカーでは途中からのアンティ設定を忘れヘッズアップが間延びしてしまった。私はこういう設定が下手なのである。
 一人30枚、ブラインド1-2から2ラウンドごとに倍、フィクスドリミットあたりが妥当か。後半はアンティもつけて。
 ベットリミットはあった方がいいように感じる。むしろアンティ1枚スタートにしてブラインドをなくし、ベットリミットをアンティ合計値にするのはどうか。人数が減るとアンティが増え、リミットも高くなる。8人でやるなら、アンティが1→2→……、ベットリミットが8→14→……のように。

 大人数でもプレイする予定なので、また別に書くか追記する予定。