諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

ボードゲーム日記6[髑髏と薔薇] - 置きたくなる髑髏

 恒例のボードゲーム日記。
 今回は、「髑髏と薔薇」。
 シンプルながらあちこちで絶賛されていたので購入。ルールを軽く聞いただけでも分かる、面白さの仕掛け。

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 髑髏と薔薇。3人以上。
 全員がカードを4枚ずつ持つ。3枚が薔薇、1枚が髑髏。順番が回ってきたら自分の前のマットに1枚伏せる。二周目以降は「追加で伏せる」か「チャレンジ」を選択。誰かがチャレンジを宣言したら、その時点から挑戦者を決める「宣言つり上げ」に入る。「○枚の薔薇をめくる」。次の人以降は「宣言数字をつり上げる」か「そのラウンド降りる」かを選択。1人の挑戦者が決まれば挑戦開始。「自分の伏せカード全て+任意の他の人の伏せカード」をめくっていき、宣言通りの枚数の薔薇をめくれれば1ポイント。2ポイントで勝利。途中髑髏をめくったらペナルティで手札が一枚減る。手札ゼロもしくは勝ち目なしだと途中脱落。

 黒箱版。各地で称賛されていたブラフゲーム。これだけ構造が分かりやすいのにどの人数でも成立するのか、という気持ちは確かにあった。


 ゲームプレイはこんな感じ。
Aさん「伏せる」→Bさん「伏せる」→Cさん「伏せる」→A「伏せる」→B「チャレンジ1枚」→C「パス」→A「チャレンジ3枚」→B「パス」→Aがチャレンジャー→Aが自分の二枚をめくる[薔薇][薔薇]→Bの一枚をめくる[髑髏]!→チャレンジ失敗、Aのカード一枚をBがランダムに除外→……
 序盤は静かだけれど、めくる時はいい感じの笑いが起きる。
 ちなみにこの流れ、Aがチャレンジャーになった時点でほぼBとCの伏せ札が髑髏だと推測でき、Aは悔しがることになる。

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 初回プレイは4人。
 届いてすぐ、近い人に声をかけてプレイした。
 構造が簡単なのでインスト時間はそれほどかからないものの、補足が多め。後述する6人の時は説明が少し下手だった。「一度誰かがチャレンジしたら、そこからは挑戦者決めの宣言アップに入る」あたりはしっかり示しておいた方がいいのかもしれない。競り系やトリックテイキング系の体験がないと、「『前の人より上の宣言をする』か『ゲームから降りるか』」というのは案外意識しにくいのかもしれない。
 あとは「まず自分の伏せ札を全てめくる」という点。これは肝なのでしっかり説明。これがなければ全員がリスクのない髑髏をただ置くだけのゲームになってしまう。一応読みあいは残るのでゲームは成立するが。バリアントルールとしてはありかな。
 ルールの細かい所に関して各所で調べると「宣言枚数が自分の伏せ札枚数以下の場合に限ってはすべてめくらなくてよい」というのが正しいとのこと。2枚伏せでチャレンジ1枚ならば、1枚めくればよい。ここはルールブックに書いていない。

 最初にテストプレイを一度はさんでしまえば、あとはスムーズ。二勝ルールがあるから経験量も増えるし。

 このゲームによくある序盤状況としては、さらりと一人目が宣言成功すること。
 序盤から「しっかり髑髏を仕込む」という意識は出にくく、そうするとあっさり薔薇めくりをクリアする。
 そしてそこから始まる。「なるほど、しっかり髑髏を置いておかないとクリアされてしまうんだな」という考えが、ゲームを混迷へと導く。

 ルールを聞いた人が全員すぐ分かるジレンマとして、「自分が髑髏を置いていると、挑戦者になってもすぐ負ける(自爆)」「挑戦者になろうと薔薇ばかり置いてコールし続けると、周りにばれる」というのは、ゲームをプレイしていて当然のように意識される。
 しかしそこに戦略が生まれる。有名なのは「一周目に髑髏仕込んでおいて二周目すぐにチャレンジ開始」。この戦略は強め。
 挑戦者が自分の置いた髑髏に引っかかってくれる時の楽しさといったらない。このゲームの笑いが絶えない所はそこにあるのだと思う。あとついつい戦略をしゃべりたくなってしまうのもこのゲームのポイントと言える。

 プレイしていると分かってくるもう一つの仕組み。
「髑髏を置いている限り自分は勝てない」
 当然の帰結ながら、これはプレイしてやっと痛感するポイント。これに気づくとさらに読み合いが増える。
 いつか髑髏でなく薔薇を置かなくてはいけない。しかし誰かが邪魔をしなければいけない。
 これぞ選択。何を置いているように装うか、というブラフゲームの神髄が楽しめる。

 ゲーム前の印象としては、三周くらいして場に十数枚置かれ、そこからのチャレンジだと思っていた。しかしプレイしてみると、せいぜい二周以内のゲームが多い。これはプレイヤーのだれもがチャレンジ移行の権利を持っているというだけでなく、あまりにカードを置き続けると薔薇の在処が分かりやすくなるという点があるのかもしれない。髑髏は一枚しかないので、「どのタイミングで仕込むか」という問題がそのまま「いつチャレンジに移行するかを意識しなければいけない」という点に繋がるのである。

 4人プレイでのハイライト。
 場に5枚のカード。 
私「チャレンジ1枚」
A「2枚」
B「じゃあ3枚!」
C「パス」「パス」A「パス」
 この三連パスはわずか数秒。
B「ちょっとー!」
 はめられたことに気づくB。他三人全員髑髏仕込みである。

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 二度目のプレイは6人。

 このゲームで特筆すべき点は人数自動調整機能だろうと思う。
 人数が増えようと、ゲームのシステムがそれをうまく調整してくれる。コンポーネント2セット12人プレイも可能と書いてあるが、それも納得できる。
 「人数が増えるとコール数字は跳ね上がるが、一周で置かれるカード枚数も増えている」「捲る選択肢は増えているが髑髏仕込みも増えている」「挑戦者になりにくくなるが二勝もなかなかに難しい」
 人数による調整追加ルールを定めていないのに、広い人数で成立するというのはすごい例だと思う。

 6人プレイだと、脱落者が増えた終盤戦がポイントか。
 何人かはカードがなくなり、その他の人も減った状態。ある種消去法的な推理も可能になるし、場合によっては1人が完全に場を「詰ませる」ことができる。
 初プレイの後輩が真価を発揮。ここぞという時の髑髏仕込みが10回以上。さらに自分自身はさらりと宣言を通す。
 最後はその後輩にバーンアウト(全枚数めくり)を宣言された。完璧な立ち回りに拍手。

 性格によってプレイ傾向が表れやすい。この辺はガイスターあたりと印象が近い。
 私自身は髑髏仕込み多め+宣言つり上げ多め。当たり前のことながら自爆が多くなる。ただ自爆自体は、髑髏カードをすぐ失うといった心配がないために比較的楽ではある。
 一枚目髑髏二枚目薔薇などの下仕込みを多用する人や、髑髏置き即宣言多用の人もいた。
 強そうなのは「ここぞという時だけ髑髏を置く」という戦略だが、やはりそこが至難の業。「あまり髑髏を仕込んでいない」と思われるのは果たしていいことなのか悪いことなのか。

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 なお、最初のプレイ時はルールを二点間違えていた。
 まずは自爆時処理。「自分が挑戦者になり、まず自分の伏せカードをめくった時に髑髏を含んでいたら」。正しいペナルティは「自ら手札から一枚選び伏せて除外」。他の人と同じ「ランダム除外」だと思っていた。
 もう一つは自爆時スタートプレイヤー。「自爆したプレイヤーが次のスタートプレイヤーを選ぶ」が正しいらしい。確かにこうでないと先手有利の構造とずれが出る。

 赤箱加えた大人数プレイもぜひやってみたい。

髑髏と薔薇 (Skull & Roses)
B004WXNEAY


髑髏と薔薇:赤箱 (Skull & Roses Red)
B006MD67TM


スカル (Skull)
B00GYDLY8E