諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

Pirates of Libertaバランシングテスト中の検討内容感想

  ※これは先行バランシングテスト時の感想(2)です



 前回の感想とあわせてどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/hidoread/20130314/1363238263

 Pirates of Libertaバランシングテストが終了となった。
 銘打つだけあって一日ごとにメンテナンスが入り、アクションカードの追加、効果変更、財宝配置変更など、様々な検討がなされた。
 仕様変更が目まぐるしい面もあったようだけれど、レビューページでの検討は活発だったようだし、総プレイ数もおそらくかなりのもの。いろいろあったのだろう。
 前回自分は初日設定に関していろいろ書いた。続きということで、今回はその後の変更についての個人的感想をいくつか。かなりプレイした方が読むと浅いかもしれないけれどそこはご容赦。

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 まずは、勝利条件である財宝配置について。
 前にも書いたが、勝利条件は20ターン経過か財宝一列消化。財宝列というのは、そのまま「だれがどこの勝利点カードを取ろうか」というポイントになる。
 3/13時点ではこう。左から取っていく。すべて8cost。

   *高点順
   7/6/5/4
   7/6/5/4
   7/6/5/4

 この配置だと、遅れた人が逆転しにくいという問題が表面に出ている印象だった。前に書いた通り。それでも分かりやすさはある。
 その後の変更。
   -
   *変則順
   7/6/5/4
   6/6/6/6
   5/7/7/7
   -
   *低い順
   4/5/6/7
   4/5/6/7
   4/5/6/7
   -
   *低い順コスト変更
   4(7)/5(8)/6(9)/7(10)
   4/5/6/7
   4/5/6/7
   ※括弧内はcost
   -
   *変則順コスト変更
   7(10)/6(9)/5(8)/4(7)
   6/6/6/6
   5/7/7/7
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 意見が多かったのか、かなりのバリエーションが試された。
 変則順の意図はtwitterでも書かれていた。どう考えても購入一番手は一列目を掘り切りたい。ただ二番手三番手が追いつくために、というわけ。面白い試み。ただ、人数による宝カードの減り具合の違いまではなかなか考慮しにくいだろう。デッキ構築型だと、同コスト・勝利点が異なるカードがあるゲームは少なそうなので、こういう設定にしている以上は考える必要がある。
 7654だと2人プレイで意外とバランスがいいと前回述べたけれど、3人プレイだと1枚でも多くカードを取ればよいという、これはこれで合った戦いになる。ただ4人制だと走る人をどうしても止められなくなるらしい。

 テスト後半に行われた勝利点カードのコスト変更。4点が7cost、5点が8cost……という風に、高い点ほど手に入れにくくなる。
 これは興味深い試みだった。特にこのゲームは、後半再び火力の下がる瞬間があるため、残っている宝カードのコストは大きなポイントとなりうる。変則順コスト変更けっこう楽しかった。ただ当然、火力でなければじり貧というのはさらに強くなった。ここをどうするのだろう。

 勝利点カード問題。ポイントとしてはいくつかに分かれると思う。(1)人数の差異、(2)逆転要素、(3)勝利点カード以外の勝利点取得。
 そのうち、(2)に関しては調整しきれないところがあると思う。前回の感想にあった4-4-4というのは極端な状況であり、それはそのまま大差であるのでどうしようもない。ただまあ、「取って一位に上がって終了」「取っても追いつけずに終了」という部分が多いゲーム設定になっているのでその点が目立つのだろう。
 (3)に関して。新たに勝利点-1の[無駄飯喰らい]カードが導入された。後に-2に変更。[怠惰]により敵カードに配布される。これがあるとまた違ったゲームをやっている感じだった。他ゲームにおける呪い場に近い。しかもこれは船乗り・財宝属性を持っているので、[しごき]による船乗り改質や、[散財]による破棄ができる。これにより、たとえば[散財]で-2点を破棄しつつ、得た獲得力で勝利点カードを買う、といった流れで順位があっという間に変わる。
 こういったのも一種の順位逆転要素として機能しそうだった。ハトクラの[結盟][皇室領]とはまた異なる場面。
 あとはやはり(1)だろう。なかなか解決は難しそうだ。人数ごとに配置を変えるというのがまず一つ。あとは三つの山のうち一つでもなくなればという早めの終了条件を変えるというのが一つ。ランダム性を持たせるという意見も散見された。

 いいところとしては、実力差がそれほど強く出ないところ。バーストの運ゲー力ももちろんながら、こういう設定だと得点カードを買う選択に特段の違いは出ない。どうデッキを構築するかの方が重要となっており、その点は分かりやすい。

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 攻撃カードと防御カードについて。
 このゲームにおけるアタックは、他のデッキ構築型カードゲームとは異なる印象がある。それは毎ターンシャッフルというのが大きな原因で、たとえば毎ターン攻撃、毎ターン防御、という流れになることは十分ある。他のデッキ構築型ゲームだと手札の概念によりこうはならない。ハトクラのベルガモットくらいの特殊能力だったらまだしも。
 攻撃カードも防御カードも、かなり強いという印象が出るのは、その能力性だけでなく、シャッフルによる有用性というのも大きいのではないだろうか。

 そういう意味で、追加カードの「一方的同盟」には、ちょっとむっとした。能力は、他1プレイヤーに[支援]追加。他プレイヤーが[支援]を引くと、一方的同盟使用者に+1coin。さらに一方的同盟はアタックカードでなく、支援も置換不能。
 やはりアタックカードでない、というのはバランスを崩しているように見える。

 例として、ハトクラの話をあげよう。ハトクラには[破城槌]というカードがある。攻撃カード属性ではない。相手のキープカードを落とす効果がある。
 [破城槌]がアタックカードでないのは深い理由があるのだ。
 状況。[城壁](防御カード)はキープ可能である。[城壁]をキープしておけば、[近衛騎士団]などのアタックカードから毎度防御が可能になる。
 ここに[破城槌]があるとどうか。
 [近衛騎士団]等は[城壁]で防御でき、[城壁]は[破城槌]でキープから捨て札に落ち、[破城槌]は[近衛騎士団]等によって山札から捨て札に直接送られてしまう。
 こういう三すくみ。
 そういうわけで[破城槌]にアタック属性はない。よって防御は不能。しかし防御カードをキープしないことで対策にはなる。キープしない場合、手札に来た時しか防御カードは使えない。
 このように、攻撃と防御が強くなりすぎないよう、[破城槌]というカードは存在している。

 それを踏まえ、考える。[一方的同盟]はそのコンセプト上、相手に手札を増やすという効果があるために、アタックカード属性でないのだろう。理解はできる。
 しかし、それよりも、一方的同盟を使ったメリットがあまりに大きい。ゲームシステムにより支援を引く確率が十分あるというのもあるし、+1coinも、[支援]除去不能も、能力として十分。そしてなにより、アタックカードでない故に防御不能というのは、あまりに強力だ。
 コンセプトというだけでアタックカード属性が外されている状態は、ちょっとばかり辛口にならざるを得ない。

 そんなわけで、攻撃カードと防御カードの強力さはもっと議題に上がりそうな気はした。

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 ネット上カードゲームという特性について。これについては喋るのを忘れていた。
 他のデッキ構築型カードゲームと異なり、このゲームはネットからのスタートという特性をいくつか利用している。
 (1)初手にトラブルカードを引かない。これはまあリアルでも再現可能なものの、バランスにかかわる部分なのでうまく設定している。
 (2)ランダムなカード変化。大砲とか。こういうのは実際だと面倒な手続きをとるため、このゲームならではだな、という気はする。ただ、プレイ中どのカードが変化したのか、プレイヤーが把握できないというのは修正が入りそうな気がした。喰らった側は最後まで分からない。
 (3)アラカルト設定。サプライ選択は重要な情報であり、なかなかそこを実装しにくい印象があった。アラカルト設定は非常に良い。公式設定サプライや完全ランダムを含め、きちんと動いている。

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 追加カードや変更カードについての一言感想。カード名前の前段が変更前、後段は変更後。

4大砲 +1coin,他プレイヤーの二枚を怪我人に ※前3/14
4大砲 +2coin,他プレイヤーの二枚を怪我人に
怪我人 無効
 獲得力変更。より凶悪になった。怪我人によって何が無効化されるかわからないから、喰らう側は非常に怖い。

4現地案内人 7枚になるまで安全ドロー ※変更前3/15
4現地案内人 +1AP,7枚になるまで安全ドロー
 AP追加。格段に使いやすくはなった。効果でアクションを引けばまた使える。あとはやはり引くタイミングの影響があまりに大きい。

4カトラス 他プレイヤー次ターン-1coin重複 ※前前3/14
4カトラス +1coin,+1AP,他プレイヤー次ターン-1coin重複 ※前3/14
4カトラス +1coin,他プレイヤー次ターン-1coin重複
 一時的に強化されたが、あまりに猛威をふるったのですぐにメンテナンスが入った。そりゃあ、もう。+1APついたら散々攻撃されっぱなしで、獲得できなかったプレイヤーは非常にひもじい思いをする。結果+1獲得力に落ち着いたものの、それでも強いアタックと言えるだろう。

5追い風 +1buy,+4安全ドロー,他+1安全ドロー ※前3/14
5追い風 +1buy,+4安全ドロー,他+1coin
 ドミニオンの[議事堂]リスペクト。追加寸前で効果が変更された。しかし強さは十分。ステロされると手も足も出ない。このカードが入ると戦略が変わるくらいになる。

3怠惰 他プレイヤー無駄飯喰らい(-1)を獲得 ※前前3/15
3怠惰 +2AP、他プレイヤー無駄飯喰らい(-1)を獲得 前3/16
3怠惰 他プレイヤー無駄飯喰らい(-1)を獲得
無駄飯喰らい 勝利点-1,船乗り扱い ※前3/16
無駄飯喰らい 勝利点-2,船乗り扱い
 前述したとおり面白いカード。ただ[怠惰]の他に、[しごき]と[散財]があるかどうかによってゲーム性が変わる印象だった。[無駄飯喰らい]を変換できるかどうか。一時的に+2APがついていたが、さすがに猛威をふるったらしく最初の状態に戻された。

4勧誘 3までのカードを獲得
 多少便利ではあるけれどサプライによる。追加でなく置換扱いであるからその辺も難しい。

3娼婦 下級一枚につき+1coin
 一見使えると思ったのだけれど、テクニックを要する。下級沢山引いた時は娼婦を手に入れてすぐ使うと大量得点か。しかしコイン改質とちょっと相性が微妙。

4一方的同盟 他1プレイヤーに支援追加,非アタック ※前3/16
5一方的同盟 他1プレイヤーに支援追加,非アタック
支援 送ったユーザーの次ターンに+1coin,置き換え不可
 前述の通り。[支援]も除去できなくて、正直ひどいとしか言いようがない。これも少しずつ変わっていきそうだなあ。

4オウム アクションカード1枚の効果を二回発動
 ドミニオンにおける[玉座の間]。ちょっとしか触れなかったけれど、十分な能力を持っていることは分かる。そういえばこの時のAPの扱いはどうなるのだろう。2APあればオウム使用→本来のカード使用で三回発動可能なのだろうか。確かめられなかった。

4ネズミ害 他プレイヤー全員1ターン食糧不足一枚追加(重複有効)
 これもちょっとしか触れず。トラブルカードを増やすという面白い攻撃。ネズミ場になりうるのだろうか。

2カリスマ +3AP ※基本サプライ除外
2聡明な少年 +2AP,置換でなく追加 ※基本サプライ追加
 テスト終盤になり、ついに[カリスマ]は基本サプライから除外。+3APの2コストアクションカードとなった。強化カリスマは……うーん。
 代わりの役職に[聡明な少年]が就任。少年と聡明な少年、基本サプライに「追加属性」カードがあるのは統一性があって個人的には好印象。

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 こんなものだろうか。時間が取れずそれほど沢山プレイできたわけではないけれど、プレイ中や感想書き中にいろいろ考えつくこともあった。むしろバランスのいいゲームを作るのって大変なのだな、なんて考えてしまうくらい。そういう楽しみもあるバランシングテストだった。