諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

文フリ15収穫感想

 二か月もかかってしまった……。

 前まであんまりこういうの書く場所をつくっていなかった。サークルブログはサークル感想のみに留めていたし、個人サイトやブログはそろそろ縮小整理しようと思っていたくらい。twitterだと、文字制限も複数postも、あまり。普段の感想はそうでもないのだけれど。最近本の感想書いていないな。

 まず、今回の第十五回文学フリマではサークル参加だけでなく、ブースを結構な数まわることができた。チラシコーナーや見本誌コーナーも。ブース売り子と交代しながらのため、過去回ではその辺に大きな時間を取れなかったのだ。他サークルの展示・頒布・宣伝それぞれの方法をしっかり見ておきたい、と思っていたので、ふらふらと会場周りもした。ただまあ、自分たちのサークルはこれ以降イベント参加が未定なので、それらとは違う要素も存在する。
 というわけで、ここでは購入した本の感想をちょっとだけ。ちょっとばかり。ちょっと。ちょっとです。サークルブース番号順。敬称略。

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  • 「酩酊おじさん酒場〜東京編〜」[合同誌/B-51・やまいぬワークス]

http://www.yamainu.net/information/201211/252
 お酒の紹介と、短いお話およびイラストが見開きでまとめられた合同誌。
 単なるお酒やお店の情報だけでなく、そのお酒を傾ける人々のミニエピソードとイラストによって飲まれている状況が書いてあることで、とても読みやすい。お酒を全く知らない私でも、こんなお店があるのかという思いで引っかかりなしに読み進めることができた。

  • 「紙飛行機に眠る月」「旅人よ立ち止まれ」[風野湊/D-09・雲の呼吸と同じリズムで。]

http://feelingworld.blog.shinobi.jp/Entry/476/
 十篇が収められた短編集「紙飛行機に眠る月」。
 幻想が全体的なテーマながら、攻勢が多岐にわたっていた。個人的に好みだったのは「竜退治の街グリムカルダ西小川通り商店街」。回想による時間逆転を用いつつ、現在と過去での思いをシンプルに描いていた。

 「旅人よ立ち止まれ」は紀行文。世界をまわる筆者の体験が文や写真、コラムによってまとめている。
 各地域での文章を読んでいると、散文的な部分だけでなく、立ち止まる感覚がしっかりしている。
読む側の「ページをめくる」という行為が本文中の次の場所・時間への「移動」と関連している、という風にしてみると、各文章でその地域について読むことが本書タイトルの通り「立ち止まる」行為に思え、コンセプトを確固たるものにしているように感じた。そのことを読んでいるうちに考えると、ハワイでの述懐が感慨深いものとなっている。

  • 「魔法のひまわり リーガルユカナ」[小高まあな/D-58・人生は緑色]

http://freedom.lolipop.jp/bunfree.html
 あらすじからの印象で一見怪作かと思ってしまったけれどとんでもない。素晴らしく組み上げられた作。
 魔法少女と法廷の組み合わせ。魔法少女ものの俗に言われる「お約束」を引っ張り出しつつ、法学要素を組ませることでまた違った展開にもっていっている。冤罪や検察、「願いをなんでもひとつ」などのポイントに仕掛けをうちつつ、女の子の感情変化と謎要素も絡まり、それでも分かりやすさが貫いてあったのが驚きだった。

  • 「ゆりくらふと」[合同誌/イ-56・Re:to]

http://yuri-craft.xii.jp/
 題の通り百合テーマの合同誌。小説と二次創作、ミニコラム。
 なんとなく「やわらかさ」というのが表れているのを感じた。それは作により、接触のみならず、どこかとらえきれない繋がりであるとか、進行方向であるとか、そういったところの機微を見ている面に起因しているのかもしれない。
 感嘆した作は「アワーポップ」(追田琴梨)。アイドルと追う少女、ある一言へのつなぎ、逆さまの世界の描写など、素晴らしく噛み合い、彼女の追憶につかまれるようなものを感じた。

  • 「稀風社の冒険」[合同誌/ウ-28・稀風社]

http://kifusha.hatenablog.com/entry/2012/11/12/203548
 短歌や都都逸、小説の合同誌。
 各人の独自に持つものがむき出しで前面に出ているような印象が最初だった。こう言ってよければ、合同誌の二つのタイプのうちもう一方、みたいな。どれも色濃い。個人的にひかれたのは短歌の「君に会えないかもしれないね」(志歩)。また、本誌唯一の小説「失われていく子供達」(三上春海)の離れていく感触にまぶしさを思った。

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 もっとまわりたかった思いはある。ばたばたしていてカタログ見きれなかった。twitter関連の方々をまわりきれなかったんじゃないだろうか。あと荷物整理で本がごっちゃになったのもあるっぽい。どこにいった。んー。