諦め続ける薬

忘れることは、疲れに対する最高の薬。思い出に対する最悪の薬。

感想―おおかみこどもの雨と雪公式ガイドブック

 前の感想http://d.hatena.ne.jp/hidoread/20120729/1343497617に引き続き、やや感情に引っ張られたエントリをお送りします。
 観終わった後twitterやらskypeやらここやらでうわごとのようにしゃべっていて、数日経ってガイドブックの存在に気づきすぐに買ってきて、もう一回ダメージを受けている状態。なのでここも前と同じように列挙です。
 いや、まあ、もっと流れに沿ってしっかりなにかタイトル決めてもう一記事書こうかとも思っていたのですが、全然うまくまとまらなくて。三叉路の話とか変化の描写話とかいまさらしたってみた方には何の印象も与えないでしょうし。

 ガイドブックいい……。構成としては、各シーンの特集・シーンコメント・インタビューを構成にそって次々はさみつつ、特集記事や制作過程・コメント等をしっかり網羅している。モデル写真やテーマ歌詞、エンドロールまで。

 というわけで列挙。追記予定。
 モデル写真。たしか大学などは巡礼された方が結構いるらしいけれど、ガイドブックでは家の写真と教室+カーテンが大きく。これだけでもう降参。農道や森についてもモデルを踏襲しつつあまりに丁寧な制作過程を経ているのがわかる。
 各シーンまとめだけでもたまらない。台詞が再び浮かんでくる。これはもう一度みに行くとはまた異なった感覚。もう一回行くし、この本も買う。そんな感じ。絵コンテも欲しいよう。
 終盤に何ページもの監督インタビューがある上に、各シーンのコメントがあって、それもまた。制作側視点としてのコメントもかなりあり、とても参考になるし、「ですよね! ごめんなさい! もう許してください!」ともなる。嘔吐に関するところとか。書きたいけれど我慢。
 声優インタビュー。宮崎あおい大沢たかお両氏の、「惹かれたところ」に関する回答もたまらない。本編の序盤とのシンクロというか移入というか。あのシーンの声の優しさを感じ取れる気がする。
 納屋や家の舞台設定、それはただの細かさだけではない。それが作中の変化と連動していて、彼らの住む場所、もっといえば彼女が選んだ場所という意味すら付け加えられている。ほんと「生活費とかのところに引っかかりを感じた」なんていっているひとはもういっかいみたりこれをよんだりするとよろしいってくらいおもうな、ちゃんとそこはえがかれているしせりふもあるし、がいどぶっくではさらにかいせつされてもいるから。以上かたことでした。例を挙げると「仕事を得てから湯沸かし器が追加された」部分とか。
 各担当者のコメント、制作過程に、その細やかさと一連の流れを感じる。時間経過描写の妙についてはひたすら語られているし、みている私が面白く感じる部分が多かった。そのうえ、例えば子供たちを見るパースについてとか、動きをあらわすための引きについてとか、そしてそれらを仕上げる丁寧さがあった。
 テーマ曲、田舎なのでCDが置いてなかったのだけれど、ガイドブックには歌詞が掲載されている。監督作詞知っていたけれど、改めて文字に起こされたものをみると、物語そのものを感じ取ることができる。
 作中曲についても。サマーウォーズではオーケストラ系が多く本作だとよりピアノが強調されているなというのが私みたときの最初の印象だったのだけれど、オーケストラはけっこう用いられているらしく、おそらくメロディの、とくわしく解説されていた。そのあたりは気になる。

 列挙しまくった。こんな感じでした。とてもよかった。
 絵コンテもそのうち買う……財布の都合。