確固と奪取
- (昨日までの)ありふれた日常のことを思いながら、ボクは手を引かれ素直について行く。
- あいつ――メンカルという名前らしい変な生き物――が一体何者なのかは、さっぱり分かっていない。
約物の話。
一文中で注釈を挿入する用法での丸括弧"()"を使うことが、私はない。驚くほど。
twitterのログを見返してもほとんどない。注釈を取り出してその文の後に置くとか、あらかじめ注釈を置いて、読点からその文に繋げるとか、そういうことばかり。
物語でも同様。短編ごとに統一することが多い以上、一か所だけ丸括弧を使って注釈、なんてことはない。一人称モノローグで後から注釈を置く、みたいな。
もっぱら使うのはダッシュ二回"―― ――"による文中注釈だ。二番目の例。
これは多分、中学校の頃いくつかの翻訳小説を読んだことによる影響なんじゃないかと思う。あの特徴的な用法。使いやすさでは丸括弧に及ばないような印象があるのだけれど、ダッシュの方を用いることが多い。
もともと多用はしにくい。一応私の中では「ダッシュの前→ダッシュの中→ダッシュの後」でも「ダッシュの前→ダッシュの後」でも読むのが引っかからないようにできている時だけ用いるようにしているものの、ただのこだわりであり、そんな状況は少ない。むしろそうやって挿入する以上、その文は句読点で読みやすくなるようになっているわけでなく、ある種の無理が生じているのは間違いない。
リズムをとりたい時と一旦流れを遅くしたい時。逆接の取り方にも関連してくる注釈挿入なので、もっと様々な種類を用いていきたいと思うものの、癖というのは重いものだと思う。"*1"みたいなのもやってみたい気持ちがないわけでもないけれど、論文参考文献番号と注釈とでは用い方が異なっているし、慣れは遠い。