後悔の物語としての「坊っちゃん」について
「坊っちゃん」/夏目漱石を久しぶりに読んで、これは「後悔」の話じゃないか、と思い直した。
人によっては「当たり前」と言われそうだけれど、意外とそういう感想がネット上で多くなかったので、メモ代わりに。
――
「坊っちゃん」。
子どもの頃軽く読んだときは、帯やら宣伝文句やらに「爽快」といった言葉が並んでいたからか、そういう物語だという認識しかなかった。
改めてもう一度読んだところ、なんだか違うぞ、と感じるようになってきた。
まず、印象的な発言は、序盤にある。
「おれ」が、子供の頃からお世話になっている清からお小遣いをもらった時。
……
この三円は何に使ったか忘れてしまった。今に返すよと云ったぎり、返さない。今となっては十倍にして返してやりたくても返せない。
……
ここで、どうして「おれ」は、清に三円を返すことが出来ないのか、ここでは説明が無い。無いまま、「おれ」は東京から旅立ち、次々に話が進む。
そして最後に、東京に帰ってきた「おれ」は、清の所へ向い再び共に住むようになり、文章の最後にこう語る。
……
清の事を話すのを忘れていた。――おれが東京へ着いて下宿へも行かず、革鞄を提げたまま、清や帰ったよと飛び込んだら、あら坊っちゃん、よくまあ、早く帰って来て下さったと涙をぽたぽたと落した。おれもあまり嬉しかったから、もう田舎へは行かない、東京で清とうちを持つんだと云った。
その後ある人の周旋で街鉄の技手になった。月給は二十五円で、家賃は六円だ。清は玄関付きの家でなくっても至極満足の様子であったが気の毒な事に今年の二月肺炎に罹って死んでしまった。
……
読者は、読み終わってここでようやく、三円を返せない理由を知るのである。
三円だけではない。あの頃の清への多大な恩を、「おれ」は返すことが出来ない。
そしてその後にある清の最後の「ある願い」を、彼は聞き届けることになる。
さて、そうすると、読者は、もう一度最初から読み返してみることになる。
有名な最初の一文から、景色が変わっているように思えるのである。
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。
……
序盤に語られる「おれ」の勝ち気で突進気質ないくつものエピソード。一度目に読んだ時は勇敢さを感じた。
しかし二度目に読むと、その無鉄砲さが上手くいった訳ではないことを再度認識する。むしろ「おれ」の勝ち気な性質は、怪我をすることもあり、周りに迷惑をかけることもある。
「無鉄砲でも自分が損をする分には構わない」というように一度目は読めたその各エピソードに、「しかしそれだけではない」という含意が加わっているように感じる。
いつまでも、昔のことが忘れられず、悔やむようになる。
……
しかし創痕は死ぬまで消えぬ.
中盤の主エピソードである学校の話でも、強気ではあるが、万事うまく解決したわけではない。仕方のないことではあるが、喧嘩っ早さはすぐに変えられない。そうして時折、彼は松山でも清のことを思い出すようになる。
……
どうしても早く東京へ帰って清といっしょになるに限る。こんな田舎に居るのは堕落しに来ているようなものだ。新聞配達をしたって、ここまで堕落するよりはましだ。
……
昔可愛がってくれた清のことを以前は少し疎ましく思っていた「おれ」が、清のことを考え、最後には清の元へと戻ることになる。
彼はここまで、いくつもの話を、自慢げに話していただろうか?
うらなりの話も山嵐の話も最後には終わった。家族とは疎遠のままだ。そんな「おれ」が帰って真っ先に向かうのが、清の家である。
何よりも返したかった恩が、借りが、「おれ」の中には針のように残っていた。
だからこそ、最後の段落は清の話である。
恩をようやく返せるようになったが、今年の二月に亡くなってしまった清。その「最後の言葉」。
いつまでも残り続けるその針。
自分自身の無鉄砲さに対し、最後には複雑な感情を持つようになった、彼の独白。
――
そんなことを思った。
読み返して、これほど景色の変わることに、驚く。
そして、一度そう思うと、私自身は、この物語に「勧善懲悪」「勇敢」といった言葉だけをラベル貼りするのに、少しだけ、躊躇するのである。
分からないところからRaspberry Pi3B+でHamachi+Minecraft serverを立ててみた
Raspberry Piを衝動的に買って、遊んでみた。
そのうちの一つ、Minecraftサーバーを立ててみるテスト。
- 目標:ほとんど触ったことのないRaspberry Piで、RaspbianOS+minecraft server+hamachiをやってみる
- 目標2:もっと安定化しているといわれるSpigot serverも入れてみる
- Raspberry pi:3B+
- Minecraft:minecraft_server.1.13.2
- Hamachi:2.1.0.198-1
- 元PC Windows10 64bit
- 揃えたもの
- スタート
- Raspbian、etcherをwinPCに入れる
- MicroSDにbootイメージを書き込む
- etcherを起動し、raspbianを選択してburn
- Raspberry piに、ヒートシンクをつける
- Raspberry piに、microSD、USBキーボード、HDMIケーブルをつける
- ACアダプターをつけて起動する
- 初期アカウントでログインする
- id:pi
- password:raspberry
- config
- Raspbian、etcherをwinPCに入れる
- 初期設定
- つなぐと、読み込み後にデスクトップが起動する マウスでnext
- country:japan
- language:japanese
- timezone:tokyo
- new password設定
- wifiが自動検索される。いったんskip
- アップデートが自動検索される。ネットにつながっていないのでエラーになる
- rebootで再起動される
- account変更 (仮名:raspberrysan)
- $sudo adduser raspberrysan
- $groups pi
- $sudo usermod -G pi,adm,……
- $groups raspberrysan
- piアカウントを一応消しておく
- $userdel -r pi
- sshd_configで、ポートや直接ログイン禁止を設定
- アップデート
- リモートデスクトップ(ローカル時のみ)
sshでもよかったけれど、いったん無効にして、win10とPiをVNCでつなぐ。
こちらを参考に。
-
- 自分のルーターにアクセスし、raspberry pi(MACアドレスがb8:27:eb……)のIPアドレスを192.168.1.10に固定
- メニュー>設定>Raspberry Piの設定>インターフェース>VNC:有効にする
- ネットワークアイコンにカーソルを合わせ、eth0が設定した192.168.1.10になっていることを確認
- win10では、VNC Viewerをダウンロード、インストール
- VNC Viewerを起動して、192.168.1.10にアクセス、フレーズ等確認してOK
- これでリモートデスクトップ完了
- 切るときはVNC Viewer上部の×を押す
- CLI設定
起動したときにコマンドラインで起動するように
-
- Raspberry piの設定>システム>ブート:CLIに
- Raspberry piの設定>パフォーマンス>GPUメモリ:16に
- $reboot
以降、デスクトップを起動したいときは$startxで。デスクトップから$rebootでもCLIに戻れる。
ここまででいったんMicroSDをバックアップしておいた。
ここからがMinecraft Server導入。
- Minecraft Serverのインストール。今回は1.13.2。
こちらを参考に。
- screenのインストール
- $sudo apt-get install screen
- フォルダの作成
- $sudo mkdir /home/raspberrysan/minecraft
- serverファイル取得
- 権限切り替え(行わないとたまにパーミッションエラーになる)
- $cd ~
- $sudo chmod 747 /home/raspberrysan/minecraft
- 作業フォルダ移動
- $cd /home/raspberrysan/minecraft
- 一度目の起動
- Stopping serverを確認し、当該フォルダのeula.txtを開き、「eula=false」を「eula=true」にする
- 二度目の起動(ゆっくり待つ)
- 起動用シェルスクリプトの作成(上記サイト参照)
- 起動コマンド中に指定するメモリ割り当て量は、上記では800MBにしているものの、ぎりぎりまで上げたいところ。$freeでフリーメモリをみておいて、その分を入れておきたい。
- $reboot
Hamachiの導入
グローバルIP指定やポート開放ができるのであればこれは省略。hamachiを使う場合は必ず身内用で。
こちらを参考に。
最新のHamachi for Linuxはこちら。今回は2.1.0.198-1。
https://www.vpn.net/linux
- ダウンロード
- インストール
- グループ参加
(あらかじめ、hamachiアカウントを登録しておく。ここでは例としてa@b。グループがなければそれも作成する。ここでは例として000000/password)
こちらを参考に。
ここまでで二度目のバックアップ。
通常起動
-
- $./startmc.sh
- $screen -r
- 「Done!」が出ればサーバー起動成功
あとはそのまま。(stopでサーバー停止。Ctrl+A+DでCLI画面に戻る)
クライアントwinPC
- クライアントをダウンロード、1.13.2をインストール
- hamachiクライアントをインストール、raspberry piと同じグループに入る
- クライアントを起動、マルチプレイ>サーバーに192.168.1.10(もしくはhamachiに表示されているpiのIP)を指定
- プレイ可能
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ここまでの感想
導入は意外と簡単に感じた。たまにパーミッションで引っかかることはあるものの、それ以外はスムーズに。あと、サーバー起動時にメモリ量設定をしないとメモリ不足エラーになる。
サーバーが起動しなくなることはほぼなく、worldの散歩もできる。しかし、実際のプレイ感としては、ところどころに重い部分がある。
主なエラーとして、
"Can't keep up!"
という、メモリ不足による処理エラーが数十秒に一度出る。あまりにこの数値が大きいときはラグも大きめ。
あまりにひどいと、木を伐採したのが無効化されたり、数秒巻き戻されたりする。
また、
"Player moved quickly!"
という、キャラクタの移動が速いエラーも起こる。特にworldの新しい場所に行ったときに頻発。
もちろん、接続人数が二人に増えるとラグも多め。特に、ネザーゲートを作成した途端かなり重くなった。
対策としては下記になるだろうか。
・なるべく多めにメモリを充てる
・CPUのオーバークロック (3B+だとデフォルトで無効?)
・server.properties中のview-distanceを少なめにする
・spigotサーバーを導入してみる
というわけで、spigotサーバーも試してみた。
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Spigotサーバーの導入
こちらを参考に。
- gitを入れる
- $sudo apt-get install git
- 別のフォルダbを作る
- $sudo mkdir /home/raspberrysan/minecraftb
- $sudo chmod 747 /home/raspberrysan/minecraftb
- $cd /home/raspberrysan/minecraftb
- 取得
- ビルド
$git config --global --unset cora.autocrlf
$java -jar BuildTools.jar -rev 1.13.2
↑がかなり時間がかかる。とまっているように見えるときも進んでいる。
successで成功。spigot-1.13.2.jarが目的ファイル。
- 一度目の起動
- $java -jar -server -Xmx800M -Xms800M spigot-1.13.2.jar nogui
- Stopping serverを確認し、当該フォルダのeula.txtを開き、「eula=false」を「eula=true」にする
- 二度目の起動(ゆっくり待つ)
- $java -jar -server -Xmx800M -Xms800M spigot-1.13.2.jar nogui
- 起動用シェルスクリプトのminecraft_server.1.13.2.jarをspigot-1.13.2.jarに書き換える
- $reboot
- バックアップ
- $./startmc.sh
- $screen -r
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Spigotの感想
エラーが減るとのことで試してみたところ、確かにCan't keep upエラーはまずでなくなった。比較してもかなり軽い。本当たまにtoo moved quicklyエラーが出るくらい。しかし、マルチで各プレイヤーが離れるとラグも増え、敵の挙動が少し変わる。
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その他やってみたいこと
- オーバークロックでarm_freq=1000,over_voltage=2にしたら改善傾向
- 定期的な再起動
- もっと軽くする
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スターデューバレー(Stardew Valley)steam ver.1.3マルチプレイ攻略メモ
windows steamベータにて実装されていたCO-OPモードが、ver1.3にて正式実装されていたので、各種メモ。
〇マルチプレイにおける各種変更点
- 誰かが"CO-OP"で起動・農場を作成し(ホスト)、そこに別のプレイヤー(2-4人)が接続(参加)。
- スタート時、プレイヤー2~4の家のために、「小屋」を3つまで建造可。
- 小屋の位置は「遠く」「近く」の二種類
- テクニック:自分の小屋以外でも就寝可能。台所も使用可能。
- スタート時に建造しなくても、ゲーム中大工ロビンに頼んで小屋の建造が可能(100g+素材少量)
- プレイヤーが入室していないままの空き小屋は、大工に依頼し撤去も可能
- プレイヤーが入室したことのある小屋を除去する際は、警告メッセージが出る
- 小屋の位置は「遠く」「近く」の二種類
- 開始時、難易度調整のために「利益率を下げる」ことが可能
- プレイヤーが複数人になると、資金集めが非常に楽である
- かといって利益率を下げすぎると、難易度が上がる
- ゲーム内時間が止まらない
- 各自、日中でも睡眠起床可能(寝ている間、スタミナ・体力回復)。全員が同時に寝ることで、次の日に移行する
- ゲーム内時間が止まらないため、午前2時不眠ペナルティには一層の注意が必要
その他
- ホストプレイヤーは、そのデータでソロプレイをすることも可能
- データはデフォルトで、「ホストユーザーフォルダ\AppData\Roaming\StardewValley\Saves」に保存されている
- 定期バックアップ(ファイル_old)も存在。_oldを消してリネームし、過去データの復活可能
(1)プレイヤー共通になるもの
- 資金
- 農場
- アイテム
- アイテム欄から外に出し、拾ってもらうことで受け渡し可能。クワ等の必須アイテムは捨てられないためチェスト経由で受け渡し可能
- 各種大イベント
- 全員がイベント場所に移動すると開始
- 誰か一人でも移動せず設定時間が過ぎると全員イベント不参加
- イベント終了後、全員が農場に戻る
- 「ダンスイベント」は、プレイヤー同士もダンス申し出可能
- 「スープ素材持参イベント」は、それぞれ個別に持参可能、加算され共通化
- 「作物9種出品イベント」は、全員で9種
- バンドル攻略 or Jojaマート攻略
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- バンドル達成後のミニイベント自体はそれぞれ個別にみることになる(砂金など)
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- 博物館攻略
- 「馬」は共用として乗馬可能。ただし利便性のためにはプレイヤー人数分飼いたいところ
- 洞窟の攻略
- テクニック:誰か一人がエレベータで新しい階まで到達すると、他プレイヤーもそこに移動可能。宝箱報酬も個別に獲得可能
- 「骨の鍵」は個別獲得し、ドクロの洞窟で個別で使用することになる
- ネコorイヌ
- ホストの一匹しかいない
(2)プレイヤー個別で管理するもの
- 村人の好感度、恋人、結婚、子供イベント
- 結婚はもちろん早い者勝ち
- スキルレベル、能力
- ゲーム開始時の種
- バックパック購入→拡張
- 釣り竿イベント
- 料理レシピ
- 洞窟の討伐数
- 最強武器イベント
- イベントはそれぞれ一度できるが、もちろん武器は共用受け渡し可能
- ジェムが全消費されるのはソロ同様なので、各人で一つずつ持っていくこと
- 手紙、小クエスト
- 落とし物を拾うイベントも個別に受注。報酬もそれぞれもらえる
- 「スタードロップ」でのスタミナアップ
- 就寝しない場合のペナルティ
- 家のアップグレード
- 結婚、子供のためには、それぞれ各人家をアップグレードする必要あり?
- 鍛冶屋での農具アップグレード
- マルチプレイなら、だれか一人がジョウロで水やり→その他のプレイヤーがジョウロアップグレードをすることで、水やりを休まず済む
- 「秋のスターデューバレー祭り」でのトークン
- それぞれが1000トークンずつ稼ぎ、それぞれが「スタードロップ」購入可能
〇その他追加要素
- 「ナイトマーケット」イベント追加
- 各種インテリア追加
- モンスター追加
- 下水道に「不確実性の像」追加
- スキルレベルのリセット・ふり直しが可能。(10000g)
- 「植木鉢」追加
- エブリン(白髪の老人女性)がレシピを教えてくれる(粘土1、石10、精錬クリスタル1)
- 室内で植物を育てられる
- 建物追加
- 「小屋(マルチ友達の家)」(100g+素材少量)
- 「出荷箱」(250g+木材150)
- 「パムの家」(500000g+木材950)
- 「自動収穫機」の追加(25000g)
- 動物小屋の第一改装後に農場南で購入可能
- 動物小屋に設置すると、ミルク、ウール等を自動で収穫・スタックしてくれ、とても便利
- プレイヤー同士の結婚用として、「結婚指輪(レシピ)」が、農場南の行商カートで購入可能
- レシピ購入後、プリズムシード1、イリジウムの延べ棒5で作成
- ゲーム上必須ではない
2017年各種振り返り
今年振り返り。
(1)今年やった面白いゲーム。
スプラトゥーン2、INVERSUS、SANCTUM2、Ghost Recon Wildlands、The Flame in the Flood。
(2)今年読んだ面白い小説。
テスタメント・シュピーゲル上下。読み返しでは、リカーシブル、天国の五人、謎好き乙女と明かされる真実。
(3)今年読んだ面白い漫画。
さよなら私のクラマー、嘘喰い、蒼き鋼のアルペジオ、虚構推理。
(4)今年よく聞いた曲。
以前の曲も含め今年再生数としてだと、LOSER、8823、砂の惑星、I Burn(RWBY)、風の日。
(5)今年美味しかった食べ物。
ピリ辛肉つけ蕎麦、牛とろ玉うどん、クリームどら焼き、カルシウム&カルピス。
(6)今年試してみたこと。
引っ越し。テキレボ参加。匂いだけの電子煙草。本音を増やす。ひたすらsteamでゲームを買う。
田の話
田の話をしていた時。
稲刈りの際、鎌を使った経験はある。
機械が発達した数年前でも、未だにその作業が残っていることが多い。
それこそ自分の親や親戚は鎌刈作業なんてお手の物なのだろうけれど、あれはコツがいる。
そして私は、あの作業ができないという致命的な性質があった。
それは、左利き。
鎌を右で持っても、力が入らず刈れない。左で持つと、刃の位置が逆になる。裏返してもうまく切れない。
まいったまいった。
そんなわけで、私はすぐ戦力外になったのだった。子供の頃は手伝う気も薄かったし、別に良かった。
SCP個人的に好きなものメモ
たまにはサイトの話。SCP Foundation。
異常なものを確保収容保護する団体および異常なもの一覧について書かれたページ群。
結構前にSCPを和訳分全部読んだ。今でも新たに更新されたものを読んだりしている。
ただ思い出すのが大変なので、気に入ったものをここに列挙してみる。
SCP Foundation 非公式日本語訳wiki - http://scpjapan.wiki.fc2.com/
SCP-198 - Cup of Joe (コーヒーを一杯) / SCP-823 - Carnival of Horrors (恐怖のお祭り) / SCP-859 - Arachnophobic Orb (クモ嫌いのオーブ) / SCP-860 - Blue Key (青い鍵) / SCP-2701 - True Solitary (完全なる孤独)
個人的に怖いのはこの辺。蜘蛛は嫌いなのである。ある意味SCPは自分の怖いもの分析器として機能するかもしれない。アイソレーションタンクの怖さとかこれで知った。
SCP-028 - Knowledge (知識) / SCP-120 - Teleporting Paddling Pool (瞬間移動プール) / SCP-131 - The "Eye Pods" ("アイポッド") / SCP-294 - The Coffee Machine (コーヒー自動販売機) / SCP-377 - Accurate Fortune Cookies (正確なフォーチュンクッキー) / SCP-467 - Confessional Phone Booth (告白電話ボックス) / SCP-662- Butler's Hand Bell (執事のハンドベル)
秘密道具系。これらは結構分かりやすい。「こうしたらどうなるか」の思考実験系ともいえる。SCPの多くのものに言えるが、時々その効力を調べるため無理やりな環境に置くせいで、神秘的作用を入れなければいけなくなっている。そこの強度が重要か。
SCP-752 - Altruistic Utopia (ヒトならざる者の理想郷)
もう一つの世界。崩壊シナリオ予測もの(やばいことになると世界が崩壊するだろうというレベルのもの)は面白い。
SCP-1322 - Glory Hole (死滅の穴) / SCP-1678 - UnLondon (裏ロンドン) / SCP-2000 - Deus Ex Machina (機械仕掛けの神)
似た系統だとこういうのも。
SCP-1590 - The Book of Tamlin (タムリンの本)
ゲームに参加させられる。しかしながら、これは試してみる人(Dクラス)の実際の例が示されており、読み物としていい感じ。
SCP-342 - A Ticket to Ride (涙の乗車券) / SCP-348 - A Gift from Dad (パパの贈り物) / SCP-1470 - Telepathic Spider (テレパシーグモ)
感動ものはやはりこういうのをあげる。どちらかというとちょっとした小説である。1470と859の性質の違いと言ったら。
Eldritch Application (不気味な面接)
番外。投票システムだけでなく、SCPがある程度の品質を保てている理由。こういう皆で考えていく世界観において、しっかり決まりを立てているというのが安定の秘訣なのかもしれない。
ボードゲームインストに関する個人的体験
ボードゲーム日記番外。インストについて。
私自身がボードゲームを買い、友人や知人とプレイする際、当然私がそのゲームの説明をする。
もともと身内でしかやらない私としては、説明を受けたことというのがほとんどない。同じ趣味を持った先輩から数回くらい。ゲーム会などに参加するつもりもない。おそらくそうなったらやるゲームの知識を事前に得ようとするだろう。
それでも、インストの重要さに関しては疑いようがない。きちんと説明しなければ、プレイヤーは楽しめず、ゲームが動かないからだ。ゲームファンの間でも、インストに関してはよくコメントをみる。
私は軽いゲームばかり遊んでいるが、重いゲームに至ってはどうなるか想像しがたい。どれだけ説明を丁寧にすべきか、ということ。過去のボードゲーム日記でもその点はいつも記している。
今回は、インスト中にあったことを書いてみた。また、私がインストした実例についても。
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よくある、よくないであろう例について。
- 説明書を渡すのはよくない。
両親が多機能電話機の説明書を読むだろうか。新たに部屋に来た人がプリンターの使い方の説明書を自発的に読み出すだろうか。
まず、(私のように)説明書を読むのが大好きな人と、実際にやりながら覚えたい人がいる。この認識は重要。
そして、説明書からすべてを把握するのが早い人がいて、そうでない人もいる。
ボードゲームの説明書は、他の商品のそれと比べ、細心の注意を払って書かれているものがほとんどではあるが、それ以上に、きっちり説明することは重要である。ゲームの中には、やってみないと感覚が分からないものが多くあるからだ。
少なくとも、説明書を渡して「読んでおいてね」「分かったら始めよう」というのは、なかなか人のことを放り投げていると思う。
- コンポーネントを適当に見せるのはよくない。
トランプなら別にいい。4つのスートが1-13までの13枚ずつ、あとJOKER。ほとんどの人が存在を知っているであろうと思う。
しかし、そのゲームを初めて見た人にとっては、何を使うかというのは重要である。使われているものが何であるかというのはぜひ説明しておきたい。
効果があるカードの場合、その効果の概要が書かれているものが多い。しかしそれだけに任せると、処理の際に揉めたりする。
不十分だとこうなる。
家族と「ドメモ」プレイ開始。一通り説明し、[1のコマは1つ、2のコマは2つ……というようにあって、全部で28枚]というのも説明している。
母がやがて呟く。「ああ、こういうゲームなのね」「ところで、この数字ってすべて同じ枚数あるの?」
「ニムト」プレイ中。「これって数字被ったらどうなるんですか?」
使うものはすべて見せること。カードの内訳を説明して、その上すべて表にして見せること。百聞は一見に如かずとはよく言ったもの。
そして、「それらの説明が十分であったとしても、初めてやる人の中にはゲームの一回目に疑問を持つ人がいる」というのも理解することが重要。
一番いい例は、「まず一回、テストプレイしてみますか」と言うことだろうと思う。それで失敗したことはない。
- ゲームに対し皆が皆興味を持って集中を切らさないだろうと思うのはよくない。
インストとは違う話になるかもしれないけれど。説明がうまくないと飽きられる。そもそもゲームに臨む状況は全員同じというわけではない。楽しもうと思うところから、ちょっと暇をつぶそうくらいまである。ゲーム会なら別だが。
インストの時にどうもうまくいかない時は、こういう場合もある。
- やり方だけをまず順を追って説明するのはよくない。
これはゲームによるだろう、とは思う。ものによっては手元の道具の軽い説明が先だったりする。ある意味これは個人的な考えだ。概念を説明するのが最初、となると入りやすいだろう、という思考。そうでない人もいる。
最初に、「このゲームが目指すところ」の方がいいのではないかと思う。「やり方の一番目」より、「勝利条件」が先。「勝利条件」より、「ゲームの概要」が先。
そこを説明できると、スムーズさが増す。
ただ、ボードゲームはテーマを"story"としてつけているものだけでなく、"flavor"としてつけているものもあれば"schema"としてつけているものもある。流れを完璧に説明しているもの、ゲームの空気を具体的にするもの、人が知っている概念をゲームに落とし込んでいるもの。それらをひとまとめにして概念として用いると、たまにズレが発生することに注意。
「ビッグチーズ」を会社経営のゲームとして説明するのは、入札→働かせる→お金を得るというのが概念としてあるからだ。プレイヤーは社長ですと説明書に書いてあり、駒がねずみになっているのはそのためである。
「ごきぶりポーカー」はポーカーでなければ、各マークに違いもない。だけど、忌み嫌われるものは押し付けられたらいまわしにされる、という皆が持っている概念のためにこういうデザインになっている。
うまいこと説明できると、プレイヤーが次々に没入していく。
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実際のインストを書き出してみる。
当然よくない。書き出すとさらにチープさが増す。最善かどうかは様々な要素によって変わる。皆が楽しんでくれたかどうかで、よかったかどうかが決まるといってよいが、どうしたら改善できるかは迷う。どう改善すればいいかを色々な人に訊いてみたい。
とりあえず好きなゲーム。
(1)ハゲタカのえじき。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%B2%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%81%AE%E3%81%88%E3%81%98%E3%81%8D
さて、まずみんなカードを持ったかと思う。みんなが持っているカードは構成が一緒で、1から15までのカードが一枚ずつ入っている。こんな感じね(見せる)。そしてここに特典カードが積んである山札がある。こんな感じ。+1から+10までと、-1から-5までのカードがある。
皆が手札を道具として使って、この得点カードを取り合うって言うのがこのゲームなんだ。
やることは簡単。まず得点カードがめくられる(めくってみる)。そうしたら、皆が手札から好きなカードを選んで一枚伏せる(ふせてみる)。揃ったらいっせーのーせでめくって、一番強いカードを出した人がこの得点カードをもらえるわけだ。
簡単! これを15回繰り返すだけ。一回使ったカードは使えないからもう横においておく。
そしてこのゲーム、ルールが三つある。一番、「プラスのカードが出たら、最も強い人がもらう」。これはさっき言った。二つ目、得点のカードはマイナスのものもあるんだけれど、「マイナスのカードは、最も弱い人がもらわないといけない」。ここがちょっと違う。だから、"マイナスのカードをもらいたくない時はより高いカードを出さないといけない"わけだ。そして"プラスのカードをもらいたい時も高いカードを出さないといけない"んだ。ここがポイント。
三番目のルールは、数字が被った時の話。例えば、+10の一番強いカードが出たとして、みんな手持ちで一番大きな15の手札を出そうと思うだろうけれど、「他の人と被った時、その人たちはカードをもらえない」んだ。その次に強い人がもらうことになる。
得点カードがマイナスの時もそう。最も低い所で他の人とかぶったら、その人たちはもらわなくていい。次に低い人がもらうことになる。
(ちなみに全員被った時は、そのままにしておいて次の得点カードをめくって、その二枚を新たに奪い合う)
こんな感じかな。気になることはある? とりあえず一回テストプレイしてみると感覚が分かるかもしれない。
(2)髑髏と薔薇
http://www.skull-and-roses.com/pdf/Skull_rules_Us.pdf
例外状況は除いておいて後から説明した。ペナルティとか、スタートプレイヤーとか。
みんなに四枚のカードを渡した。表にはデザイン、裏には薔薇が三枚、髑髏が一枚書いてある。みんな一回表にして見せてみようか。これ、デザインがちょっと違うんだけど、暴走族の小さいチームのマークになっている。みんな小さな暴走族のリーダーだ。今回はこのカードを使って、総大将みたいなのを決めようと思う。そんなイメージでいてくれればいいよ。ちょっとした読みあいのゲームだ。
リーダーはやっぱり度胸のある人がいいだろう。そんなわけで、今からみんなにはある課題をクリアしようとしてもらう。そのクリアを二回やった人が勝ち。その人が総大将。二ポイント取れば勝ちって感じかな。
課題って言うのは、ちょっと説明が難しい。みんなでカードをおいていくんだけど、「薔薇をめくる枚数を宣言して、その通りの枚数の薔薇を捲れれば勝ち」ということ。分かりやすくするため、ちょっと順番に説明してみようか。
順番が来たら、カードを一枚置く。試しに置いてみよう(置く)。髑髏でも薔薇でも、どちらでもいい。さて、順番にみんな一枚ずつ置いた。
二週目が来たら、二つの選択のうちどちらかを選ぶ。一つ目は「さらに追加で一枚置く」。もしくは二つ目、「チャレンジを宣言する」。
例えばここである人がチャレンジを宣言したら。そこで置くのは終わりになって、今回の挑戦者を決める段階に移る。課題をクリアしようとする人を選ぶ訳だ。課題は「薔薇をめくる枚数」。例えば「チャレンジ2枚」って言ったら、私は挑戦者になったら薔薇を二枚めくりますよー、というわけだ。そうすると次の人は、それよりも上の枚数をチャレンジするか、このラウンドは降りるかを選択する。オークションみたいなものだね。「チャレンジ2枚」→「3枚」→「降りる」→「5枚」……みたいな感じ。降りると、挑戦者にはなれないけれど、課題に失敗した時のペナルティがない。降りる時は分かりやすく、カードを手前に押すことでします。一人以外全員降りたら、残った人が挑戦者となる。
挑戦者は、実際にカードをめくっていく。宣言した枚数捲れれば勝ち。ただしルールがあって、「まずは自分の前にあるカードを全部めくる」必要がある。自分のところを全部めくったら、あとは好きな人の前のカードの上から、一枚ずつめくる。
例えば、この状況で4枚めくる時は、まず自分のをめくって、残り三か所めくって、全部薔薇だったら挑戦成功、一ポイントというわけ。一ポイント取ったら、この台座の紙を裏返すことで示す。
もし髑髏をめくったら、ポイントはもらえずペナルティ。手札がランダムに一枚減る。ぴんと来ないかもしれないけれど、手札がなくなっていくと結構つらい。そして手札が全部なくなるとこのゲームから脱落する。
だいたいこんな感じかな。"挑戦したければ薔薇を置いていく必要がある"けれど、"相手を引っかけたい時は髑髏を置く必要がある"。"髑髏をおいていてもチャレンジ枚数を宣言するのは良い"けれど、挑戦者になってしまうと、まず自分のところからめくらないといけないから、即失敗。これは自爆という。自爆の時も手札が一枚減る。
一回やってみると感覚がつかめるかな。ちょっと勝ち負け関係なしにやってみようか。